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by furanist-t

日本の認識は世界で通用しない認識

 My blogに初めてスポーツのことを題材に書くことにした。’05.7.12の朝刊スポーツ欄にこんな記事があった。「07年世界選手権札幌大会に照準」と題して、低迷するスキー・ジャンプ全日本チームのヘッドコーチに、フィンランドからカリ・ユリアンティラ氏を招聘した。というのである。外国人のコーチや監督などを招聘するのは特別珍しいことではない。もっともよく知られているのが、サッカーのジーコであり、プロ野球界のバレンタインやヒルマンがいるので、目新しいことでもないし、これまで何人もの外国からのコーチが来日してわが国スポーツの振興に寄与した例は沢山ある。これが問題ではない。
 ユリアンティラ氏は全日本スキー・ジャンプのヘッド・コーチ就任にあたり、こんなコメントを口にしているらしい。「スキー・ジャンプの規格が変わり、変化した。日本は長野オリンピックで見せた技術とスタイルを忘れないといけない。来年のトリノ五輪には時間が足りないので間に合わないが、07年の札幌での世界選手権が私の最大のゴールになる。日本の代表選手は所属先の企業チームでバラバラに練習しているし、世界のどこのチームより高齢だ。早く若手を発掘して育てることが重要である。」
 こんな話、いつもどこかで聞いているような内容ではないか。そうである。いつも聞く内容の話なのである。つまり、日本では世界に通用する認識で事が進展していないのである。ではなぜか。それは明確である。**協会と名がつく機関がそのスポーツ関連一切を牛耳っているからである。そしてその機関の幹部は年寄りで頑固で、頭が固く、そして最も困るのが自分の過去をこれみよがしにひけらかして若手の台頭をゆるさない体質にしてしまっており、世界はどんどん変化しているのについていけないオイボレばかりが蔓延っているからである。これは絶対に間違ってはいない。それが日本のスポーツ振興の大きなバリヤになっているのである。
 その典型例を最近のテレビ放送で発見した。それは、女子バレーである。監督は柳本監督である。彼は先のオリンピックで満足な成績を収めることができなかったことを理由に監督辞任を申し出ていたが、誰が何のために留任を慰留されてまた監督の座に就いてしまった。そして、今新しいメンバーを選んで世界に戦えるまでになったチームでこれから次の北京オリンピックでメダルを狙う(金、銀、銅のいずれか、すなわり世界の3位にまでは入るチームということ)と豪語するのである。笑ってしまった。その世界に戦える新生ジャパン・女子バレーの試合を何試合かテレビで見てそう笑ってしまったのである。これもやはり、ユリアンティラ氏のコメントがそのままあてはまる傑作なバカらしい話なのである。このチーム、絶対に世界に通用するチームにはなれない。その大きな理由がある。それは、セッターを育てていないことである。この点一点をとってももう先が見えている。中国女子バレーは、モントリオールオリンピック以来、世界の頂点に立ち尽くしているのはなぜか。アタッカー陣はそれなりに大型選手は集まる。しかし、セッターの大型化が大命題だったのである。それに一躍目をつけて国を挙げてそれに取り組んだ。その結果、選手の世代交代があっても必ず大型セッターがついて回っているので、世界の頂点から一度も陥落したことはない。では、そのセッターのことで新生全日本に何が問題なのか。今新生日本チームのセッターは、相変わらずオリンピックでその欠点をさらけ出したセッターがそのままチームに残らざるをえない状況であるからである。160cm程度の非常に小柄なセッターがまだ新生全日本のチームの大黒柱としてセッターを務めているのである。各国がどんどん大型化していっているのにである。ではなぜ小柄なセッターではだめなのか。いくつかの理由がある。その①. 160cm程度の上背しかなければ、トスをあげるにも180cmのセッターに対抗するとしたら、それ相当のムダな時間と労力を使わざるをえないくらい練習に打ち込まなければならないから。ボールの高さ、スピードいずれをとっても膨大な練習が必要で、恐らく男子並に体力と頭脳がなければやれない。その②. こんな小柄では、ツーアタックがほとんどできない。したがって、相手のコートの空きを就くなどの幅広い攻撃ができず、単調になるばかりである。その③.今の彼女には、頭がない。頭脳明晰さがまったく感じられない。単なる練習で少しばかり鍛えられただけの選手である。世界には通用しない。その④. その小柄では攻撃陣の一員として、ブロックにも参加できない。穴になるばかりである。したがって、相手はその穴を平気でアタックしてくるので、守備にも大きな負担が掛かってくるので、世界の中国やキューバ、イタリア、ブラジル、などのチームには全く通用しない。
 こんなことが素人だって理解できるのになぜ専門家のあの連中は判っていないのでしょうか。なにが新生全日本だ。そんなことを言っているから世界から取り残されるのですよ。いい時期にフィンランドからユリアンティラ氏が日本にやってきてくれました。認識の全くずれた日本スポーツ界に大きな渇を入れてほしいものだ。そして日本人のまったくずれた世界認識にもメスが入ればいいがな、と切実に願っている今日この頃である。
by furanist-t | 2005-07-12 18:21